1996 年 37 巻 3 号 p. 214-220
フローサイトメトリー法による急性白血病細胞表面マーカーの解析を,前方散乱光(FSC)—側方散乱光(SSC)表示によるゲート設定法と,CD45モノクローナル抗体を用いたCD45-SSC表示によるゲート設定法にて行い比較した。結果は,FSC-SSC表示では白血病細胞集団と正常細胞集団の分布領域の境界が不明瞭であった症例で,CD45-SSC表示を用いることによって両群の明確な区別が可能であった。また,白血病細胞比率の非常に少ない症例においても,白血病細胞のみを対象とした解析が可能であった。従来,急性白血病細胞表面マーカー解析のゲート設定はFSC-SSC表示にて経験的に行われてきたが,解析データの精度向上のためにCD45-SSC表示にてゲート設定を行うことが必要と思われる。