80歳男性。平成3年9月に両下腿,足背部の骨痛を主訴に当院に入院となった。入院後,原発性骨髄線維症と診断された。両脛骨,腓骨,大腿骨および脊髄骨のX線像で骨粗鬆症の所見を認めたが骨痛の原因とは考えられなかった。その後骨痛は一旦消失したが平成4年2月,白血病への移行とともに,下腿痛および足背部痛が再燃した。平成4年7月に誤嚥性肺炎にて死亡した。剖検では左脛骨に骨粗鬆症に加えてmicrofractureと骨膜への白血病細胞の浸潤を認め,これらが骨痛の原因と考えられた。骨髄線維症の骨痛の原因の解明のため示唆に富む症例と思われた。