1997 年 38 巻 2 号 p. 100-107
小児癌白血病研究グループ(CCLSG) ANLL-9205プロトコールに登録された小児AML 45例につきその治療成績を検討した。本プロトコールでは寛解導入としてAVC療法(THP-ADR, VCRおよびAraC)を行い,以後,強化維持療法としてAVCとVP-16+HD-AraCを交互に32週または48週まで行った。11例は幹細胞移植を施行した。
評価可能例43例中38例(88.4%)に初回寛解がえられた。3年でのEFSは55.6% (S.E., 10%)であった。この良好な反応はFAB分類M5, M7および初診時白血球数10万以上群にもみられた。3年でのEFSは治療終了時期32週と48週の間で差はみられなかった。重篤な副作用は特にみられなかった。
以上の結果よりANLL 9205プロトコールは小児AMLに有効な治療法と考えられる。治療期間32週と48週でその治療成績には統計的有意差はみられなかった。