臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
臨床研究
高アンモニア血症を合併した多発性骨髄腫の臨床的検討
藤井 総一郎福田 俊一瀬崎 達雄村上 元正
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 39 巻 1 号 p. 27-33

詳細
抄録
高アンモニア血症を伴う多発性骨髄腫の5例のうち,4例で剖検による病理組織学的検討と3例でアミノ酸代謝の検討を行った。その結果,A. 肝機能異常と病理組織上,高度な骨髄腫細胞の肝浸潤を伴うもの,B. 肝機能異常はないが高度の肝浸潤を伴うもの,C. 肝機能異常も,高度の肝浸潤も認めないという3型に分類された。肝機能異常を伴うA型の1例ではisoleucineのみが低下した。肝機能は正常で,肝浸潤が軽度なC型の1例と非剖検例1例の計2例ではvaline, leucine, isoleucineは低下し,tyrosineは軽度低下した。Fischer比はこれら2例で低下し,A型の1例でも軽度低下した。臨床上,高アンモニア血症は,4例では化学療法抵抗性で全身状態不良な時期に生じた。劇症型の1例は急速な意識障害にて発症し骨髄腫と診断された。全例で意識障害が認められた。高アンモニア血症の原因として肝浸潤例では肝不全や門脈シャントが考えられ,肝浸潤のない例ではアミノ酸代謝に影響する骨髄腫関係の液性因子等も推定された。
著者関連情報
© 1998 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top