臨床血液
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臨床研究
鉄欠乏によるerythron transferrin uptakeの亢進とineffective erythropoiesis
—鉄欠乏性貧血と脾腫性門脈圧亢進症との共通点を求めて—
高橋 豊馬止 裕大野 陽一郎
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1998 年 39 巻 1 号 p. 34-43

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抄録
鉄欠乏性貧血(IDA)とこの型の貧血を呈した門脈圧亢進症(PH-ID)を対象にferroerythrokinetics (FEK)の数値を基にerythron transferrin uptake(ETU, Cazzola等)の換算と赤血球無効造血の指標(efficiency ratio, R-Ef)の算定を行い,鉄欠乏要因がこれ等の値にもたらす影響を検討した。IDA群で未治療群(n=71)は3∼10カ月以内の既治療群(n=19)に比べ,また,PH-ID群(n=39)は非鉄欠乏群(n=34)に比べ,ETUは有意に高く,R-Efは有意に低かった。IDA群,PH-ID群ともR-EfはETUと明瞭な負相関関係にあり,鉄欠乏の改善でETUとR-Efがこの逆関係に沿って変化した。IDA群につき重回帰法で鉄欠乏指数(IDx)を算定しこれをPH-ID群に敷衍した。両群ともIDxはETUの高値,R-Efの低下と有意の相関性を持ち,さらに赤血球寿命短縮,PH-ID群では脾腫や肝機能障害がこれ等の値の変貌の付加要因とみなされた。以上の所見から鉄欠乏がETU亢進と同期して赤血球無効造血を増強させる事が強く示唆された。
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© 1998 一般社団法人 日本血液学会
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