臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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症例
著しい骨髄の線維化と全身性の骨転移を伴った節外性非Hodgkinリンパ腫
笠原 薫高橋 徹岡 俊州山本 元久白田 智洋井戸川 雅史苗代 康可林 敏昭安達 正晃日野田 裕治今井 浩三
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1998 年 39 巻 12 号 p. 1180-1184

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抄録

症例は68歳の女性。1997年3月,腰痛,発熱,嘔吐,全身倦怠感を主訴に入院となった。入院時の血液検査で貧血を認め,血清Caが7.7 mEq/lと高値を示した。X線写真,99mTc骨シンチで腰椎,骨盤,両側脛骨に多発性の骨融解像を認めた。骨髄穿刺はdry tapであり,骨髄生検では骨髄の著明な線維化と円形のリンパ球様細胞の増殖が認められた。生検組織の免疫染色では,増殖していた細胞はL-26, LCA陽性,UCHL-1陰性であった。上部消化管内視鏡にて胃に多発性に隆起性病変が認められ,同部位の生検組織にてB細胞の浸潤が認められた。そのためび慢性大細胞性B細胞悪性リンパ腫と診断された。THP-COP療法を開始しLDH値の低下,骨痛の改善を認めたが,その後リンパ腫細胞の中枢神経浸潤が認められ,呼吸不全のため死亡した。

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© 1998 一般社団法人 日本血液学会
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