臨床血液
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症例
同種骨髄移植後に合併した強皮症様変化の病態解析
—CD8+CD57+T細胞の増殖とTGF-βの過剰産生—
中沢 洋三小池 健一北澤 由美坂下 一夫澤井 信邦松本 和彦伊藤 進熊谷 俊子山田 宗雄小宮山 淳
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1998 年 39 巻 3 号 p. 185-192

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抄録
慢性GVHDによる強皮症様変化を合併した症例において,リンパ球サブセットの検索,血清サイトカイン濃度の測定および自己免疫学的検査を行った。症例は19歳の女性で,ALLの第二寛解期に全身放射線照射とシクロホスファミドによる前処置後,HLA一致の姉から同種骨髄移植が施行された。移植後771日目に両側前腕痛を訴え,腹壁,前腕,下腿の皮膚の硬化がみられた。皮膚生検で慢性GVHDに伴う強皮症様変化と診断された。CRPとIgGが増加し,抗核抗体,抗DNA抗体は陽性を示した。移植後早期からCD57陽性細胞数の増加が持続し,皮膚硬化出現時にはさらに増加した。また,CD8陽性細胞の65%がCD57を発現していた。血清サイトカイン濃度の測定ではTGF-β1が高値を示した。本例の強皮症様病変の成立にはT細胞,特にCD8+ CD57+ T細胞の増加とTGF-βの過剰産生が中心的役割を果した可能性が考えられた。
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© 1998 一般社団法人 日本血液学会
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