臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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症例
同種骨髄移植後再発に対し,ドナーリンパ球輸注療法後IFN-α投与が奏効し再寛解に至った慢性骨髄性白血病
前田 明則山本 孝吉小刀禰 裕子山下 浩平吉永 尚子平田 大二浅越 康助直川 匡晴高橋 淳大野 仁嗣田嶌 政郎笹田 昌孝
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ジャーナル 認証あり

1998 年 39 巻 6 号 p. 442-446

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抄録
症例は44歳男性。CML慢性期との診断のもと,1994年1月,HLA完全一致の実兄をドナーとして骨髄移植を行った。同年4月,8月の骨髄検査ではPh1陽性細胞は検出されなかったが,95年1月Ph1陽性細胞の再出現を認めた。5月よりIFN-α 600万単位週3日を投与したが無効であったため,同年9月,IFN-αの投与を中止し,12月までに計4回のDLT(輸注総単核球数3.4×108/kg)を行った。しかし,96年2月,FISH法でbcr-abl融合遺伝子陽性細胞が増加し,末梢血白血球数の増加,NAP scoreの低下を認めた。3月よりIFN-αを再開したところ,白血球数の正常化,NAP scoreの改善,bcr-abl陽性細胞の著明な減少が認められた。現在は外来で経過観察中であり,PCR法でもbcr-abl (chimeric) mRNA陰性を維持している。CML骨髄移植後再発に対してDLTの有効性が明らかにされているが,DLT無効例のその後の治療に関する報告はきわめて少ない。本例は治療法の確立並びに白血病に対する免疫機構の解明の上で大変興味深い。
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© 1998 一般社団法人 日本血液学会
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