臨床血液
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症例
抗オメプラゾール抗体による溶血性貧血および血小板減少症
林原 歳久
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1998 年 39 巻 6 号 p. 447-452

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抄録
80歳の女性,オメプラゾール投与約5週間後,貧血,黄疸,出血傾向で入院。入院時,Hb 6.4 g/dl, 血小板0.1×104l, 網赤血球325‰。総ビリルビン1.9 mg/dl, LDH 572 IU/l, ハプトグロビン<10 mg/dl。直接および間接Coombs試験(+)。血小板関連-IgG (PAIgG) 1,100.0 ng/107 cells。補体価の低下(+)。骨髄標本上,巨核球と赤芽球系の増加が認められた。オメプラゾール中止後,貧血と血小板減少は次第に改善した。入院27日目,直接Coombs試験(+)だったが間接Coombs試験(-)であった。その後PAIgG値も改善し,入院59日で軽快退院となった。急性期血清中に,抗オメプラゾールIgG抗体が検出され,回復期に同抗体量は減少していた。退院40日後,直接Coombs試験(-)となった。これはオメプラゾールが免疫機序で溶血性貧血と血小板減少症を誘発した最初の報告である。
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© 1998 一般社団法人 日本血液学会
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