臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例
Hairy cell leukemia類似の臨床像および血液学的所見を示したpolyclonal B-cell lymphocytosis
神林 裕行永田 兼司田中 鉄五郎松田 信佐久間 秀夫丸山 幸夫待井 隆志
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 39 巻 7 号 p. 493-498

詳細
抄録
患者は49歳男性。既往歴,家族歴に特記事項なく,喫煙歴もない。巨脾を触知するも表在リンパ節の腫脹は認めず。血液検査でHb 10.5g/dl, Plt 9.8×104l, WBC 21.2×103l, 異常リンパ球を70%認めた。ギムザ染色標本では,核小体不明瞭で円形の核と豊かな細胞質を持った,大型リンパ球が増加し,位相差顕微鏡,走査電顕でリンパ球表面に多数の毛髪様突起を認めた。TRAPは陰性。骨髄吸引では,有核細胞数9.4×104lで,異常リンパ球を35.4%認めた。表面形質はCD5-, CD10-, CD11a+, CD11c+, CD19+, CD20+, CD22+であった。本邦型hairy cell leukemia (HCL)が疑われたが,SmIg, Ig遺伝子はともにpolyclonalな増殖パターンを示した。以上の所見から,本例を本邦型HCLに類似した特徴をもつ,多クローン性B細胞増多症(hairy B cell lymphoproliferative disorder)と診断した。またEBV抗体は既感染パターンを示した。摘脾により,貧血の回復と血小板数の正常化を認めたが,リンパ球増多は変わらなかった。
著者関連情報
© 1998 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top