抄録
症例は48歳女性。45歳の時,成人T細胞性白血病慢性型と診断された。46歳で出現した膝・肩・足・手・指趾関節痛が激痛となり,頭痛,発熱,白血球増加も見られるようになった。髄液中に白血病細胞の浸潤を認めたが,その他の所見は慢性型の状態であった。関節液中に多数の好中球と異常リンパ球を含むリンパ球を,滑膜生検組織で著明な滑膜の増殖・びらん・少数のリンパ球のびまん性浸潤を認めた。化学療法を施行したが効果は部分的で関節痛が続くため,pentostatinを単独投与したところ,完全寛解し関節痛も消失した。副作用は見られなかった。16カ月後に関節痛を伴って再燃したがpentostatinの再投与にて,関節痛の消失と寛解が得られた。以後36カ月効果が持続している。血清中のIL-6が高値で,滑膜炎との関連が推測された。pentostatinが血液学的にも併発した滑膜炎にも著効した興味ある症例である。