抄録
小児の(8;21)転座Y染色体欠失型急性骨髄性白血病(AML)の再発時に染色体の付加異常がみられた。この症例に対してgranulocyte-colony stimulating factor (G-CSF), cytosine arabinoside (Ara-C), アクラルビシンによる治療(CAG療法)を施行したが無効であり,G-CSF, イダルビシン(IDR), Ara-C, エトポシド(VP-16)による再寛解導入をおこなった。この治療で,骨髄抑制は早期から強く出現し,生命をおびやかす感染症が出現し,呼吸不全,腎不全となり危険性の高い治療であったが,治療効果は強くこの寛解療法だけで,治療後140日間無治療で寛解を維持した。全身状態も治療前とほぼ同様の状態まで改善し,治療後150日目に非血縁者間の骨髄移植を施行した。IDRを使用したこの治療法は,再寛解導入の困難な再発AMLに対して試みる価値があると考えられた。