臨床血液
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症例
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を発症したWaldenströmマクログロブリン血症
古川 勝久佐藤 勉猪原 達也栗林 景晶山内 尚文加藤 淳二坂牧 純夫新津 洋司郎佐藤 昌明
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1999 年 40 巻 10 号 p. 1116-1123

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抄録

症例:62歳,男性。平成7年1月,Waldenströmマクログロブリン血症(WM)と診断,通院にて,Alkeran, Predonineの治療を継続していた。平成8年1月,発熱,CRP上昇がみられ,近医にて肝膿瘍との診断を受け,当院に2月23日転院となった。肝内,左副腎,右腎門部に腫瘤性病変をCTにて認め,生検では,Diffuse large B-cell lymphoma (DLCL)であり,WMにDLCLが続発した症例と診断した。化学療法をおこなったが,肝脾の腫大が増悪し,間質性肺炎も併発して5月23日死亡した。病理解剖では非Hodgkinリンパ腫が肝,脾臓に広範囲な病変を形成していた。初回入院時骨髄と再入院時の肝由来DNAの免疫グロブリンH鎖再構成パターンが初回と再入院時でまったく異なっており本例のWMとDLCLは別クローン由来であると考えられた。

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© 1999 一般社団法人 日本血液学会
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