臨床血液
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臨床研究
本邦における血縁者間同種末梢血幹細胞移植の全国調査:現状と問題点
原田 実根竹中 克斗中尾 真二青墳 信之沢田 仁品川 克至笠井 正晴井関 徹村田 誠岡本 真一郎兵頭 英出夫小寺 良尚
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1999 年 40 巻 11 号 p. 1160-1167

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抄録
わが国での同種末梢血幹細胞移植(allo-PBSCT)の現状について全国調査を行った。全国28施設より回答が得られた103例について解析した。移植時期は1994年12月∼1997年11月。年齢の中央値は37歳で,対象疾患はAML 43例,CML 19例,ALL 14例,MDS 14例,その他13例であった。ドナーはHLA適合同胞が85%を占めた。移植CD34陽性細胞数は,中央値5.3×106/kgで,血液学的回復は好中球500/μl以上の回復に中央値13日,血小板20,000/μl以上の回復に中央値13日であった。移植後100日以内の移植関連死亡は16.1%にみられた。急性GVHDは,II∼IV度が37.4%, III∼IV度が16.2%にみられ,慢性GVHDは68.6%にみられた。allo-PBSCTでは速やかな造血回復が得られ,移植後早期の移植関連死亡も少ないが,慢性GVHDの頻度増加など,さらに検討が必要である。
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© 1999 一般社団法人 日本血液学会
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