臨床血液
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臨床研究
静注用鉄剤で治療した鉄欠乏性貧血の貯蔵鉄減少率とその臨床的意義
齊藤 宏河村 保男
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1999 年 40 巻 2 号 p. 112-118

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抄録

鉄の出納が負の状態における貯蔵鉄の減少率(SID)の測定法を開発した。鉄欠乏性貧血の患者に鉄を静注した後血清フェリチンを時々測定し,片対数グラフ上に記録して血清フェリチン減少曲線を作成する。静注開始日から血清フェリチンが12 μg/lに低下するまでの期間D日を測定する。静注鉄T mg中ヘモグロビン(Hb)の増加に用いられた分R mgは治療前後のHbの差と患者の体重から算出する。Tのうち,一旦貯蔵された後D日間に失われた量はT-Rに相当する。そこで,SIDは次式から求めた。SID=(T-R)/D mg/dayと上記の方法により12名の患者について鉄欠乏の再発日とSIDを測定した。SIDは9.8から0.8 mg/dayであった。出血の多い例ではSIDは高値を示した。SIDと血清フェリチン半減時間との間にはY=248.5 X-1 29 r=0.995の逆相間が認められた。SIDは個人の鉄の負の出納を示すのでSIDを参考にして静注鉄量を選べば個々の患者の治療に適した量になると考えられる。

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© 1999 一般社団法人 日本血液学会
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