臨床血液
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臨床研究
血小板輸血トリガー値の実態調査
比留間 潔奥山 美樹大坂 顯通笠井 正晴幸道 秀樹高本 滋半田 誠藤井 寿一武藤 良知森 眞由美清水 勝
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2004 年 45 巻 11 号 p. 1187-1192

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抄録

9医療機関を対象に,血小板輸血に関する実態調査を行った。対象となった症例は303例,全輸血回数1864回,総輸血量24455単位であった。基礎疾患は化学療法を伴う血液疾患59.7%, 化学療法を伴わない血液疾患15.5%, 造血幹細胞移植例18.5%, その他2.0%であった。血小板輸血前の患者血小板値(トリガー値)は77.1%でしか測定されていなかった。全平均トリガー値は2.2×104lであり,施設間差(最低1.3×104l, 最高3.2×104l)が認められた。厚生労働省基準のトリガー値2×104l以下が満たされていた輸血は全体の55.3%であった。1回の輸血量は10単位を主体とする施設と,15単位以上を主体とする施設に分かれたが,後者で患者あたりの総輸血量は多い傾向が認められた。血小板トリガー値を2×104l以下を遵守し,1回輸血量を10単位以下にすることで,血小板製剤を節減できる可能性が示された。

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© 2004 一般社団法人 日本血液学会
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