臨床血液
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症例
抗胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)投与後に染色体異常del(13q)を認めた再生不良性貧血
本多 聖子伊藤 良和井口 具隆岡部 聖一指田 吾郎宮澤 啓介木村 之彦大屋敷 一馬
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2004 年 45 巻 11 号 p. 1198-1202

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抄録

症例は31歳,女性。2000年に他院にて再生不良性貧血(AA)と診断され,HLA一致同胞なくATG(ウマ),CsA, G-CSFの併用療法を施行し,その後当院紹介となった。当院初診時骨髄細胞の染色体異常なし。赤血球,顆粒球にCD59·CD55陰性血球を認め,HLA DR 1501は認めなかった。その後,副腎皮質ステロイドパルス療法を施行したが,輸血頻度が増加したため2003年5月に入院。血液学的に重症であり,骨髄は低形成で異形成なくdel(13q)(7/21 cells)を認めた。再度ATG(ウサギ),CsA, G-CSF併用療法試行し,以後も骨髄でdel(13q)(12/22 cells)を認めている。本例は免疫抑制剤投与後にdel(13q)が出現し免疫抑制剤再投与後も継続的に出現しているが,過去の報告ではdel(13q)出現時期にかかわらず治療反応性は良好とされる。今後症例のさらなる蓄積が必要と思われる。

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© 2004 一般社団法人 日本血液学会
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