臨床血液
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臨床研究
単一施設における成人再生不良性貧血に対する免疫抑制療法の成績
壹岐 聖子臼杵 憲祐飯島 喜美子浦部 晶夫
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2005 年 46 巻 4 号 p. 261-268

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抄録

単一施設で経験した成人再生不良性貧血に対する免疫抑制療法(IST)の効果と長期予後を検討した。症例数は50例で,年齢の中央値は47歳であった。初回のISTが無効,あるいは反応したが再発した症例21例にISTの再治療が行われた。初回ISTの奏効率と再発率は各々76.7%と23.3%であり,IST再治療の奏効率は61.9%であった。初回あるいは2回目のISTによって50例中32例の再生不良性貧血患者が軽快している。10年全生存率は84.0%, 10年無病生存率は62.0%であった。経過中クローナル疾患の発生は2例にみられた。出血や感染症による早期死亡は高齢患者に多かった。ISTで治療された再生不良性貧血患者の多くは良好な反応を示し,長期生存が期待できることが示された。

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© 2005 一般社団法人 日本血液学会
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