抄録
症例は47歳,男性。発熱,咳嗽を主訴に当院に入院。貧血,血小板減少を認め,骨髄検査にて急性骨髄性白血病と診断。レントゲン,CTでは,両側に多発浸潤影と両側胸水を認めた。肺の浸潤影に対する治療を優先し,白血病の治療は延期した。異型肺炎,真菌性肺炎を考え,抗生剤,抗真菌剤を投与するも改善はなく,入院後3日目に,人工呼吸管理となった。気管支肺胞洗浄液から,感染の原因となる病原体の検出はなかった。呼吸状態は悪化し,入院後12日目に死亡した。
剖検では,肺に感染巣はなく,肺胞内にperiodic acid Schiff (PAS)陽性の好酸性物質の貯留が認められ,サーファクタントアポプロテインの免疫染色陽性であり,急性骨髄性白血病に伴う肺胞蛋白症と診断した。血液疾患に伴う肺胞蛋白症のうち,急性白血病初発時からの報告はない。急性白血病診断時に原因不明の浸潤影を伴う際には,肺胞蛋白症の可能性を考慮する必要がある。