抄録
非血縁臍帯血移植後に皮膚非結核性抗酸菌症を発症した家族性血球貪食症候群の症例を経験した。原病に対し4歳時に臍帯血移植を施行し,その後急性GVHDに対しmethylprednisolone, cyclosporin, mycophenolate mofetilを使用していた。移植6ヶ月後に下肢に虫刺様の皮疹を認め,皮疹が悪化したため移植7ヶ月後に皮膚生検を行い,非結核性抗酸菌症と診断した。当初は菌種の同定ができず,minocyclineとST合剤で治療を開始したが改善と悪化を繰り返していた。再度の培養検査でMycobacterium Chelonae感染症と確定診断した。皮疹や皮下結節が増悪し,鼠径リンパ節の有痛性腫大を認め,移植10ヶ月後から抗菌薬をamikacinとclarithromycinに変更したところ徐々に皮膚感染症は改善した。皮膚非結核性抗酸菌感染症はまれな感染症だが,造血幹細胞移植後などの免疫抑制状態では鑑別すべき疾患である。