抄録
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対する免疫抑制療法の報告は数少ない。我々は抗胸腺細胞グロブリン(ATG)による免疫抑制療法をPNH4症例に行った。過去の報告と合わせ,免疫抑制療法の有効性,安全性について検討した。
対象は古典的PNH3症例および骨髄不全型PNH1症例で,いずれも血球減少が進行した時期に免疫抑制療法を実施した。ATG 15 mg/kgの5日間点滴投与を行い,血栓症予防として全例に抗凝固剤と補液を行った。古典的PNH3症例ではcyclosporineを併用した。
4例中3例で,ATG投与期間内に溶血と血小板減少の急性増悪を認め,全例で赤血球および血小板輸血が必要であったが,腎不全,血栓症は生じなかった。投与1年後には全例で貧血は改善したが,その後2例で再燃した。
PNHに対する免疫療法は作用機序に不明な点も多いが,貧血の改善を期待できる治療法の一つである。