臨床血液
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症例報告
確定診断前の血小板輸血により神経症状が顕性化したと考えられる血栓性血小板減少性紫斑病
町田 久典篠原 勉畠山 暢生岡野 義夫中野 万有里飛梅 亮岩原 義人大串 文隆
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2012 年 53 巻 1 号 p. 105-109

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抄録
症例47歳女性。朝食後に嘔吐,その後意識が消失したため救急搬送されてきた。身体所見では,軽度の眼球結膜の黄疸と貧血を認める他に異常なく,神経学的異常所見もみられなかった。末梢血ではHb 5.2g/dl, Plt 0.6×104lと著明な貧血と血小板減少を認めたが,白血球数・分画には異常なく,間接ビリルビンの増加と軽度の肝障害を認める他は生化学検査にも異常はなかった。以上より自己免疫性溶血性貧血と特発性血小板減少性紫斑病の合併であるEvans症候群を疑い,赤血球及び血小板輸血,ステロイド治療など行ったが改善なく,入院第4日に脳梗塞を発症した。
脳梗塞の発症後にADAMTS-13活性及び抗原の著減が判明し,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura: TTP)と診断された。血小板減少を伴う溶血性貧血を見た場合,TTPを疑い,早期にADAMTS-13活性及び抗原を測定し,確定診断を行い,血小板輸血は慎重に行うことが重要である。
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© 2012 一般社団法人 日本血液学会
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