抄録
症例は6歳男児。FLT3-ITD陽性急性単芽球性白血病(AMoL)と診断,日本小児白血病リンパ腫研究グループAML-05寛解導入で寛解に至らなかった。救済療法でも寛解に至らず,骨髄回復期にsorafenibを200 mg/日で開始,300 mg/日に増量,10日後寛解を得た。29日間内服後,HLA 2座不一致骨髄移植を施行。移植後71日目に骨髄再発,150mg/日を隔日投与で再開,部分寛解を得た。ドナーリンパ球輸注を行うも,245日目に芽球が増加。化療とsorafenibで芽球は減少,2回目の移植を行ったが,移植後合併症で永眠した。sorafenibは多剤併用化学療法に対し抵抗性のAMoL症例で有効であった。今後の症例の蓄積が必要である。