抄録
アルカロイド製剤であるセファランチンは特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対して大量投与することにより血小板増多が認められる例があることが1990年前後に報告され現在も臨床的に用いられている。今回,我々は北海道内の血液診療科を対象にITPに対するセファランチン大量療法の調査を行い,47症例の臨床効果と有害事象の解析を行った。血小板数5万/μl以上の増加を認めた症例は21例 (44%)であり,主治医が有用性ありと判断した症例は36例 (77%)で有害事象は認めなかった。また,セファランチン単独投与群と副腎皮質ステロイド(PSL)併用投与群の比較を行ったところ,両群で投与前に比べ有意に血小板数増加を認め,群間の有意差は認めなかった。セファランチン大量療法は安全性が高く,単独でも血小板増多を認める例があり,PSLの治療効果が不十分であったり減量中に増悪が見られる症例にはPSLと併用をするなど,ITP治療を行う上で使用を考慮する価値があると考えられた。