抄録
症例63歳女性,HTLV-Iキャリア。発熱,肝機能障害,汎血球減少のため入院。CT上肝脾腫と骨髄検査でCD20陽性の大型異型リンパ球と著しい血球貪食像を認めた。遺伝子検査でIgH再構成を認めた。以上の検査よりB細胞性リンパ腫関連血球貪食症候群(B-LAHS)と診断しR-CHOP療法を開始した。4コース後肝脾腫と肝機能障害は改善し,骨髄検査では異型リンパ球と血球貪食像が消失した。IgH遺伝子再構成陰性となり分子遺伝学的寛解と判断した。しかしながらR-CHOP 5コース目施行後より末梢血に小型~中型の核に切れ込みを有するATL細胞が出現し,サザンブロットではHTLV-IプロウイルスDNAのモノクローナルバンドを認め,成人T細胞性白血病(ATL)急性型の合併と診断した。本症例はリンパ腫あるいは化学療法による持続的な宿主免疫の低下がATL発症の契機となった可能性を示す。