抄録
症例は61歳女性。2001年に多発性骨髄腫(multiple myeloma, MM)と診断され,アルキル化剤を含む併用化学療法・thalidomideによる治療後,2003年にmelphalanを前処置とした自家造血幹細胞移植を施行された。M蛋白の残存を認め,同年7月より2005年11月までthalidomideが投与された。その後部分寛解が維持された。2008年10月に汎血球減少が出現,骨髄検査にて急性B細胞性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia, ALL)と診断。免疫グロブリン遺伝子再構成によるclonality解析で,MMとALLは異なる細胞起源と推測された。MMに対する自家移植後にALLを発症した症例は極めて稀であり,発症機序の解明とともに今後の症例の蓄積が必要と考えられた。