臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
IFN-β投与中に悪性貧血を合併したC型慢性肝炎
市原 弘善康 史朗青山 泰孝久村 岳央太田 忠信古川 佳央寺田 芳樹山根 孝久日野 雅之麥谷 安津子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2012 年 53 巻 3 号 p. 352-356

詳細
抄録
症例は62歳,男性。近医にてC型慢性肝炎の診断のもとInterferon-β (IFN-β)で治療が開始された。治療開始後29ヶ月2週目にWBC 2,300/μl, Hb 7.2g/dl, PLT 4.7×104l, と汎血球減少を認めIFNを中止。しかし,その後も汎血球減少は進行,LDH 4,898IU/lと急激な上昇を認め,当科紹介入院となった。精査の結果,悪性貧血と診断,ビタミンB12投与により速やかな改善が得られた。ウイルス性肝炎に対してIFN治療が広く行われている。それに伴って様々な副作用が報告されているが,悪性貧血合併報告は稀である。IFN加療中に貧血を合併した場合,悪性貧血を鑑別する必要があると考えられ報告する。
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top