臨床血液
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症例報告
同種造血幹細胞移植後に卵巣に髄外腫瘤再発を認めた急性白血病
今中 亮太片山 雄太岩戸 康治許 鴻平岡谷 健史板垣 充弘勝谷 慎也麻奥 英毅
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2018 年 59 巻 1 号 p. 58-63

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抄録

同種造血幹細胞移植後の急性白血病髄外腫瘤再発は予後不良であり,有効な治療法が確立していない。我々は,同種造血幹細胞移植後に卵巣にて髄外腫瘤再発を来した2症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。症例1は23歳女性。AML第二寛解期にて非血縁者間同種骨髄移植を施行した。移植後day706の腹部エコーにて両側卵巣腫瘍を指摘され,右卵巣摘出術および左卵巣生検にて両側卵巣髄外腫瘤再発と診断した。化学療法および放射線療法施行後,非血縁者間臍帯血移植を施行し,移植後7年寛解を維持している。症例2は49歳女性。ALL第二寛解期にて非血縁者間臍帯血移植を施行した。移植後day372のFDG-PET/CTにて骨盤内集積を指摘され,骨盤内腫瘤摘出術を施行し,右卵巣髄外腫瘤再発と診断した。化学療法および放射線療法施行したが,day1,027に再発し,day1,603に永眠された。成人急性白血病における同種造血幹細胞移植後の卵巣髄外腫瘤再発の報告は稀であり,今後も詳細な症例の蓄積が望まれる。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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