臨床血液
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症例報告
脳塞栓症を契機に診断された中枢神経病変併発若年性骨髄異形成症候群
佐藤 淑神戸 栄美子玉井 洋太郎
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2018 年 59 巻 12 号 p. 2583-2587

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抄録

急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)では中枢神経(central nervous system, CNS)浸潤を来すことがあるが,骨髄異形性症候群(myelodysplastic syndrome, MDS)のCNS浸潤は稀である。初診時に白血病細胞のCNS浸潤に関連して塞栓症を来したと考えられる若年性MDS例を経験した。症例は25歳男性,左上肢挙上困難のため来院され,MRIで右頭頂葉に急性期脳梗塞と周囲にびまん性浮腫上病変を来し,髄液中に白血病細胞を認めた。骨髄検査でMDS with excess blast 1のCNS浸潤と診断した。血液検査上,明らかな播種性血管内凝固症候群や血栓性素因は認めなかった。MDSに脳塞栓症を来した場合,CNS浸潤の合併にも留意する必要がある。

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© 2018 一般社団法人 日本血液学会
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