2018 年 59 巻 5 号 p. 521-528
臨床的および分子生物学的側面から悪性リンパ腫の病態解析は進んでいる。詳細な病態解析データに基づいた治療法が開発されてきた。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のcell of originの解析は,予後予測だけでなく,分子標的療法薬を治療法に組み入れる戦略の開発につながっている。腫瘍免疫の詳細が明らかになることにより免疫チェックポイント阻害薬,CART療法の開発が進み,悪性リンパ腫の有望な治療法であることが示された。治療反応性を高精度で診断を応用したresponse adapted treatment strategyの評価も行われている。病態研究の成果が診療に還元されつつある。