臨床血液
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Symposium 11
本邦におけるALアミロイドーシス
—全国疫学調査からみた診断と治療の現状—
島崎 千尋
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2019 年 60 巻 8 号 p. 973-978

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抄録

全身性ALアミロイドーシスは,異常形質細胞より産生される単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の軽鎖に由来するアミロイド蛋白が全身諸臓器に沈着し,臓器障害をきたす疾患である。本症は比較的稀な疾患であり,本邦における実態調査の報告はない。本稿では,厚労省難治性疾患等政策研究事業「アミロイドーシスに関する調査研究」班で行われた疫学調査結果をもとに本邦におけるALアミロイドーシスの診断と治療の現状について報告した。年間発症率は100万人あたり4.2で年齢中央値は65歳,男性優位で,障害臓器は腎が最も多く,次いで心,消化管,自律神経の順であった。免疫染色で確定診断された症例は53%のみであった。心アミロイドーシスでは進行期の症例が多く,早期診断の重要性が示唆された。また,治療としてbortezomibが多く使用されていた。

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© 2019 一般社団法人 日本血液学会
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