臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例報告
Obinutuzumab投与後に急性血小板減少症を認めた再発濾胞性リンパ腫
酒井 康平松村 卓郎濵田 梨紗子富永 貴元高橋 徹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2020 年 61 巻 11 号 p. 1616-1619

詳細
抄録

症例は64歳女性。再発濾胞性リンパ腫に対してGB療法(obinutuzumab(OBZ),bendamustine)が施行されたが,1コース目から血小板輸血を要する血小板減少症が観察された。2コース目以降はbendamustineを減量するも同様の血小板減少を繰り返した。4コース後に完全寛解を得てOBZ単剤による維持療法に移行したが,維持療法においても同様に血小板減少を認めた。OBZ投与後の血小板数の経時的変化を観察すると,OBZ投与終了1時間後には血小板数は減少し始め,6時間後に半減,投与4日後頃に最低値となり,投与10日後頃から徐々に回復した。OBZ投与に伴う血小板減少症はしばしばみられる合併症であるが,投与後24時間までに起こる急性血小板減少症は稀である。しかし,本例のように投与後きわめて短時間に血小板減少が進行する場合もあり,臨床医家においては留意して治療に取り組む必要がある。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top