2020 年 61 巻 9 号 p. 1259-1265
Peripheral T cell lymphoma(PTCL)は,B細胞リンパ腫と比較して予後が不良である。進行期症例が多いなど予後不良因子を持つことが多い。現時点での標準療法はCHOP療法であるが,初回寛解導入療法で奏効が得られた症例においても再発のリスクが高い。化学療法の強化や大量化学療法の導入など,治療開発が進められてきた。CD30陽性PTCL症例に対して,brentuximab vedotin(BV)を初回寛解導入時に化学療法と併用することにより,無増悪生存率が向上することが報告された。抗体薬,低分子化合物など新規薬剤の開発も進んでいる。これら治療薬の最適化により,PTCLの治療成績を改善し,次の標準療法を確立しなければならない。