2021 年 62 巻 7 号 p. 820-829
血液内科を専門とする医師の女性比率は20%台前半と医師全体における比率と類似しており,徐々に増加してきている。女性医師の特徴の一つとして働き方の多様性があり,その増加は多様なキャリア形成に対する認識を高める契機となってきた。キャリア形成の基礎となるキャリア継続のためには,労働環境改善や男女共同参画社会の実現といった環境整備,また,医師としての意識や姿勢が必要と考えられている。後者の点から,すべての医師が修得すべき目標として,医師としての社会的使命感,キャリアデザイン立案能力,職業に対する多様な価値観を受容する能力,支援に対する姿勢,社会的性差の認識とその対応能力,が医学教育学会より提示されている。学習時期ごとの具体的目標として,キャリアデザイン立案の点では,専門医資格取得のプロセスを理解することや多彩なロールモデル像を知ることなどが挙げられており,新血液専門医プログラムの理解はその1例である。