2022 年 63 巻 1 号 p. 14-19
症例は60歳,女性。2018年6月に運動神経障害を伴う第5胸椎椎体骨折に対して脊椎後方固定術を施行した。この際に摘出された病理検体からKIT D816V変異陽性の全身性肥満細胞症(systemic mastocytosis, SM)と診断された。2019年6月より著明な好酸球増多を認めたためprednisolone(PSL)40 mgの投与を開始した。好酸球数は低下し,PSL投与量を漸減していたところ,2020年5月に急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)を発症した。寛解導入療法を行い寛解となり,地固め療法を1コース行ったのち,血縁者間同種末梢血幹細胞移植(HLA適合)を施行した。なお,AMLに対する化学療法中にSMの残存腫瘍の増大が見られたが,同種造血幹細胞移植後に縮小を認めたことからgraft-versus-mastocytosis effectが示唆された。移植後9ヶ月が経過したがAML,SMとも良好な経過をたどっている。