2022 年 63 巻 7 号 p. 746-752
20代男性。20歳時に縦隔胚細胞腫瘍と診断,化学療法後無再発で経過したが2020年1月に急性骨髄性白血病(AML)M2と診断された。診断時の骨髄染色体分析で全細胞に47,XXY, inv(16)を認めた。寛解導入療法後,微小残存病変マーカーは著減した。治療関連AMLに該当するも染色体予後良好群で治療反応性は良好,HLA一致同胞が不在であったことからも第一寛解期での同種造血細胞移植は行わない方針とした。地固め療法3コース後1年以上無病生存中である。また,寛解確認時の骨髄染色体分析でも47,XXYを認め,クラインフェルター症候群(KS)と診断された。診断直後は動揺が大きく適応障害と診断されたが,精神腫瘍医・臨床心理士・認定遺伝カウンセラー®を含めた多職種介入により受容的な態度を見せるようになった。縦隔胚細胞腫瘍治療後に発症したAMLの診断を契機にKSが診断された稀な症例と考え報告する。