臨床血液
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症例報告
特異な画像所見を呈したprimary mediastinal large B-cell lymphoma, spindle cell variant
大野 沙耶香田中 宏明林 清人清水 亮桑野 秀規鈴木 良夫
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2023 年 64 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

症例は40歳女性。前縦隔腫瘤を指摘されて紹介。画像所見上,辺縁不整で著明な浸潤傾向がみられる腫瘤で一部石灰化が混在していた。悪性リンパ腫よりは胸腺がんないし高グレードの浸潤性胸腺腫が疑われ,超音波気管支鏡ガイド下針生検,CTガイド下針生検を施行したが診断に至らず,胸腔鏡下縦隔腫瘍生検により紡錘形細胞を呈する縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBL)の診断となった。針生検検体を後ろ向きに検討すると,挫滅と考えられた組織の一部は紡錘形細胞からなるリンパ腫細胞であったと考えられた。病理学的に特異な形態をもつPMBLがあることに留意することが重要である。

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© 2023 一般社団法人 日本血液学会
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