臨床血液
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症例報告
初発時にCMVとHHV-6の再活性化と頭蓋内多発腫瘤を認めた成人T細胞白血病リンパ腫
堀 太貴安井 沙耶細木 美苗山上 紘規乙田 敏城湯浅 智之粟飯原 賢一滝下 誠安倍 正博中村 信元
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2023 年 64 巻 4 号 p. 283-289

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抄録

症例は55歳,男性。1ヶ月前からの咽頭痛の精査目的で紹介された。意識障害と項部硬直,口腔内の多発性有痛性潰瘍,全身に米粒大の紅斑を認めた。白血球数7,910/µl(異常リンパ球2%),LDH 203 U/l,補正カルシウム11.2 mg/dl,可溶性IL-2受容体11,800 U/ml,サイトメガロウイルス抗原(C10,C11)43/49.末梢血や骨髄,皮膚にCD4,25陽性の異常リンパ球あり,末梢血でHTLV-1プロウイルスDNAのモノクローナルな組み込みを確認し,成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)と診断した。CTで,脳実質内にリング状造影効果を有する腫瘤が多発し,髄液検査で細胞数1,320/mm3(フローサイトメトリー法でATLL細胞が79%),蛋白244 mg/dl,HHV-6 DNA陽性を認めた。ヘルペスウイルス属感染症に対する治療や髄注を併用してmodified LSG15療法を行うも,意識障害が急速に進行し,入院21日目で死亡した。ATLLでは,中枢神経浸潤のさらなる病態の解明と標準治療の確立が求められる。

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© 2023 一般社団法人 日本血液学会
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