2026 年 67 巻 5 号 p. 397-402
症例は71歳女性。健診で汎血球減少を指摘され,前医を受診した。骨髄検査では診断に至らず,約2年間経過観察されたが血球減少が進行し,移植検討目的で当院紹介となった。18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography(18F-FDG PET/CT)では巨大脾腫を認めたが,異常集積は認めなかった。真菌性肺炎を疑う感染症の併発もあり,診断的治療目的に脾臓摘出術を施行し,摘出脾の組織像およびT細胞受容体(T-cell receptor, TCR)遺伝子再構成解析により肝脾T細胞リンパ腫(hepatosplenic T-cell lymphoma, HSTCL)と診断した。脾摘後に速やかな血球回復を認め,その後CHOP療法を施行し,約1年間再発なく経過している。HSTCLは予後不良の疾患であるが,脾摘により診断に至り,汎血球減少も改善した貴重な症例として報告する。