2022 年 28 巻 p. 103-107
2019年9月に台風15号が関東地方に上陸し,霞ヶ浦上を南西から北東方向に通過した.これに伴い,湖内で急激な風向風速と水位変化が観測された.霞ケ浦の西浦・湖心では先ず最大約29 m/sの東南東の風を記録した.この後,台風の移動に伴い,風向は急激に西寄りに変化した.西浦では,当初,東寄りの風の吹き寄せにより,西浦の西側湖奥に位置する掛馬沖で水位上昇,東側の北利根川・常陸川内の各所で水位低下があった.続いて,風向が西寄りに変化したことにより,湖奥の水位が低下し,北利根川・常陸川の水位は上昇に転じた.西浦には風場により強制された重複波的な水位変動が生じた.この流動をFantomRefinedにより再現計算し水位変化を追算できることを確認した.北利根川・常陸川の沿川であった低水護岸が被災した近傍の水位・流速変動を調べたところ,水位の低下率は0.8 m/hourであった.これによる護岸背後の残留水圧が被災原因の一つであると考えられる.