2022 年 28 巻 p. 127-132
令和3年7月大雨により,西日本を中心として甚大な洪水被害が発生した.平成30年7月豪雨では長時間降 雨が続いたのに対して,令和3年7月大雨では短時間に急激に降水量が増加し,中小河川を中心として平成 30年豪雨に匹敵する規模の洪水が生じた.この結果,多くの河川で河岸侵食や河川沿いの道路,堤防の陥 没等の被害が生じた.広島県三原市を流れる沼田川水系仏通寺川では堰下流での河岸侵食被害が数か所確 認された.堰などの横断構造物下流では,波状跳水や潜り噴流などの激しい乱れを伴う流れ場となるため,洗堀,吸出しを引き起こす可能性がある.洪水時に河岸侵食の危険度評価と同時に被災メカニズムの把握 を行うことは河川管理の上で重要となる.本論文では,現地観測結果を示し,仏通寺川を対象とした洪水 流解析及び河岸侵食のあった箇所を対象とした流れの三次元解析より,中小河川における横断構造物下流 で発生する被災のメカニズムについて考察した.