2022 年 28 巻 p. 121-126
近年の水害の頻発化,激甚化に対し,河川流域の関係者の協働により水害を軽減させる,流域治水の実践が求められている.有効な流域治水対策を行うためには,本川流域だけでなく,各支川流域においてもその流域特性を調べたうえで,本・支川一体の洪水解析による個別流域及びそれらが統合化された流域における洪水流下形態を検討し,河道及び流域での対策の検討ツールを構築することが重要である.本研究では,平成28年8月北海道豪雨を対象に本・支川一体の洪水流解析を行い,河川流域の洪水流の貯留量分布を把握する.そして流域治水対策のための本・支川各スケールでの流域内貯留に適した空間を見出すツールとなる水収支分布図を提案し,考察する.最後に流域治水計画における対象流域の水収支分布が持つ意義を論じている.