河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
環境DNA分析を用いた河川調査における地点間隔設定の最適化に向けた検討
北川 哲郎村岡 敬子天羽 淳堀江 隆生岡本 祐司中村 圭吾
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2022 年 28 巻 p. 133-138

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抄録

三重県雲出川の中・下流域における魚類のメタバーコーディング解析(MB解析)ならびに同時期に同一区間で実施された河川水辺の国勢調査による直接採捕記録との比較により,河道における環境DNA(eDNA)の適切なサンプリング間隔について検討した.本研究では,河口0.0-16.2 km区間から0.2 km間隔で採水した82サンプルのうち,解析不調を除く79サンプルから,延べ149 taxa(属・種といった分類学上有意な単位)の魚類が特定された.純淡水区間にあたる3.4-16.2 kmの区間で得られた魚類リストの無作為抽出試験から,検出taxa数の期待値の増加曲線を求めたところ,地点間隔を1地点 / 1.2 kmとすることで,効率的かつ安定的な種類数の検出が期待できると判断された.また,直接採捕とMB解析とで得られた魚類リストの相関行列において,直接採捕が実施された4地区とそれぞれ最も高い正の相関を示すMB解析結果は,-0.3-2.8 km下流から得られた.両者の距離は当該区間の勾配に対する正の相関を示し,eDNA分析では目的区間の下流で採水する必要があり,その至適距離は勾配から強い影響を受けると示唆された.以上の結果は,eDNA分析における地点間隔の最適化に向けた実証的な指標となり得る.

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© 2022 土木学会
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