2022 年 28 巻 p. 13-18
国土交通省では風水害が発生しうる可能性のある箇所での監視カメラの設置を進めており,それに伴い映像データに基づく土砂移動の自動検知技術の必要性が高まっている.本稿は,多くの監視カメラの映像をより少ない処理装置で対応可能となる,既往研究の土石流や崩壊といった顕著な土砂移動現象を捉えるための輝度差分値に基づくアルゴリズムについて処理装置を作成した.また,誤検知の内容や頻度を把握し,精度向上のための改善を行った.当初の検知方法では,27.5件/日の誤検知があったが,輝度差分の計算の際に従来の手法より長期かつ多くの画像を用いることにより,17.5件/日の減少し,また,今まで検知しにくかった土砂移動イベントについても検知できるようになった.さらに,輝度の明るさから雲の移動を除去すること,画像を白黒二値化すること等の工夫で最終的に1件/日未満に誤検知を減らすことに成功した.