2022 年 28 巻 p. 289-294
多量の土砂・流木を含む洪水氾濫が頻発する中,流域から流出する土砂・流木が,下流での洪水氾濫流,流体力,土砂の堆積等に及ぼす影響を評価できる解析法が求められており,本研究ではこれらを検討できる手法を提案する.流木について,多量の流木の挙動を容易に扱うために,移流拡散方程式に基づいて流木の解析を行う.本解析手法を2017年の赤谷川災害に適用し,土砂・流木による洪水流への影響,災害前後の地盤高の変化,流木の堆積本数といった観点からモデルの検証を行った.
本洪水流の解析法によれば,土砂・流木の影響を考慮する場合としない場合とでは計算結果が顕著に異なっている.災害前後の地盤高の変化は測量結果と計算結果が概ね対応しており,これは流域からの土砂流出解析結果が概ね妥当であることを示している.特に,流木が橋梁に捕捉された場合,洪水流が橋梁の周囲を迂回する状況となり,これが橋梁の上下流の流況や河床変動に大きく影響を及ぼしている.