2022 年 28 巻 p. 319-324
常呂川水系無加川上流域では,H28出水時に表層砂礫が一掃され,軟岩(火山灰層)が露出して急激に河床低下が進行し低水護岸や橋梁の安定性を著しく低下させている状況である.このような露岩河川では,河床低下危険度の評価指標となる軟岩上部に堆積する表層砂礫層厚を適切に把握することが重要である.砂礫層厚把握手法としては,土層断面図や定期横断測量を用いた把握手法や表面波探査と地中レーダを用いた把握手法等が示されている.
本研究は,非破壊の地盤調査技術である表面波探査によるS波速度Vsが影響を受ける可能性のある表層の粒径と表面波探査の測定精度に着目して,より迅速かつ簡易的に探査を実施するために表面波探査と画像解析による砂礫層厚把握手法の提案を目的とする.