2022 年 28 巻 p. 475-480
近年,我が国では,計画を上回る規模の洪水が頻発しており,将来の気候変動に対応するため,効果的な流域治水対策を実施することが重要である.本研究では,近年,豪雨災害が発生した水系を対象に水系内を複数のサブ流域に分割した上で,洪水災害発生状況と災害発生地点上流域における既存施設による貯留能力の関係を明らかにするとともに,サブ流域単位での貯留能力を評価する指標として,修正比較定数 αcaを提案した.また,実績の外水氾濫発生状況とαcaの関係から,同指標を用いることにより,サブ流域単位での貯留能力を概略的に評価可能であることを確認した.さらに,現行のダム建設・再生計画,事前放流による洪水調節容量増加を考慮したサブ流域単位での貯留能力の向上度合いを定量評価し,今後のダム以外の対策を含む,流域治水方策検討においても同手法が活用できることを示した.