2022 年 28 巻 p. 91-96
越水に対する河川堤防の粘り強さを発揮させる新しい川裏法面の保護工法を検討するために,砂質土を締固めた堤防モデルを用いて越流侵食実験を実施した.川裏側の法肩・法面・法尻への対策工を変化させ,対策工の設置が侵食破壊メカニズムおよび堤体が流失するまでの時間に与える影響を検討した.川裏法面の一部を防水シートで保護すると落下流の着水位置(突入位置)が堤体から遠くなった.その結果,洗掘域拡大による堤体の侵食が発生する時間を遅らせ,堤体が流失するまでの時間を引き延ばした.また,植生との相性を考慮し裏法面全体をグリッド材で保護するとグリッド材が洗掘域内に入り流体抵抗となり渦流の発達を妨げる.そのメカニズムにより洗掘域の堤体方向への拡大が抑制され,堤体が流失するまでの時間が増大した.