2023 年 29 巻 p. 209-214
近年の大規模洪水の発生に伴う観測,解析技術の進展によって,新しい水理現象の出現や治水施設被害が認識され,これらに対応出来る非静水圧分布を考慮した準三次元運動方程式に基づく水理現象の解明と河道設計技術への適用が重要であることが認識されてきた.
本研究では,これまで行われてきた観測水面形に合致するように解析から準三次元運動方程式によって求めた三次元流速分布や圧力分布,水位分布の時空間的な値を洪水流のエネルギー方程式に導入することで,河道内の洪水流の三次元エネルギー分布を求め,その持つ意味について議論を行っている.この三次元エネルギー分布及びその勾配は,超過洪水を安全に流す堤防や河道断面形等河道設計のための重要な外力を与えることを示し,せんだん力など局所的外力に基づく従来の河道設計法には限界があることを述べている.三次元エネルギー解析法は,洪水流の作用するすべての外力項を考慮した解析法であり,これを用いた堤防と河道の一体的設計法の重要性とそれを用いた設計の一つの考え方を提示している.