河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
表層及びその下層の河床材料の粒径に着目したアユの産卵場の評価
小野田 幸生間野 静雄
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2023 年 29 巻 p. 245-250

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抄録

アユが河床を掘り返して河床内に産卵することを考慮すると,表層だけでなくその下層の河床材料を評価することが望ましいと考えられるがその知見は十分とは言えない.そこで,本研究では表層だけでなくその下層の「第二層」の粒径にも着目して,矢作川の中流域で8つの調査地点(A-H)を設定しアユ産卵場の評価を行った.アユ産着卵密度は2つの調査地点(E,F)で高く,シノの貫入深(約10 cm)が中程度であることが他の調査地点と異なった.河床材料については,表層粒径よりも第二層粒径の方が,アユの産着卵の有無との対応がよい傾向だった.また,第二層粒径とシノの貫入深との間には,全調査地点で相関関係が見られた.これらの結果は,アユの産卵場を評価する際には河床表層よりも河床内部の状態を計測することが重要であることを示唆する.河床材料の粒径に対する選好性の知見は,土砂供給に伴う河床環境の変化とそれに対する生物の応答の一連の評価に役立つが,アユ産卵場については表層だけでなく第二層の粒径についても知見を蓄積する必要があると考えられる.

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© 2023 土木学会
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